男性の「育児短時間勤務」を取得してみて体験談 小学校教諭の場合
育児短時間勤務とは
小学校就学前の子の養育をするため、当該教職員が希望する日及び時間帯において勤務できる制度。(子どもの年齢は自治体によるのかな? 調べていたら3歳と記載されている自治体がありました。) ※ 育児短時間勤務=育短 以後「育短」として記載
育休(育児休暇)との違い
育児休業は、出産後の従業員が一定期間、育児のために休業するものです。育児短時間勤務は休業ではなくある既定の時間働くものです。
勤務形態
我が家は1日4時間55分で5日勤務(9時~14時勤務)にしました。勤務形態は4パターンあるようで、 時間帯は各学校との相談になります。どのような役割で時短勤務するかで時間帯は変わるかと思います。我が家は専科を希望しましたので、2時間目~5時間目が対応できる時間帯で希望が通りました。実際には理科専科と担任補助の役割になりました。担任希望での時短勤務ですと、融通が利きにくいかもしれません。専科など、ある程度時間に融通の利く立場で希望されることをおすすめします。
給料
フル勤務の3分の2程度になりました。
手続
まず勤務している学校の校長先生に相談しました。 申請は時短勤務開始日を希望する日の1か月前まで可能ですが、人事のことを配慮し半年前の9月頃には「来年度は育短取りたい」と相談しました。 提出物は母子手帳や出生届受理証明書の写し、申請書などでした。
育児短時間勤務取得率
平成29年は育児短時間勤務を取った人の内、男性はたった2.3%でした。97.7%は女性が取得。
我が家の経験談
育児短時間勤務取得のきっかけと理由
育短を取った理由は主に
- ママ・パパのフル勤務で家事・育児が疎かになっていたから
- パパが育児に興味があったから
- ずっと働き続けるパパにも休んでほしかったから
- パパのキャリアダウンのため
- 男性の育児参加の促進
2年前、ママの育休明け復帰とともに夫婦そろってフル(担任)で働きました。復帰で久々の仕事な上、勤務地移動のママ。どんなに頑張っても18時にしか学校を出られず、早い時でも帰宅は18時30分。遅いと20時を過ぎることも。ママが帰れないからパパが保育園の迎え、ご飯・お風呂で9時に寝かしつけ。夫婦の行事がかぶったときは、仕事を大量に持ち帰り何とかやりくりをしていたのですが、忙しいしわ寄せが行ったのが我が子たちでした。宿題しない、忘れ物だらけの小学生の娘。暴力、喧嘩の絶えない保育園児の息子。このたった数か月で酷い問題児に…。 「自分の子もまともに育てられないのに他者の子を育てられるわけがない」 育短を取ろうと決意しました。
ちょうどそのころパパは、勤務校で高学年ばかり担任にあてられ、勤務年数的にも校務分掌で大きなものばかり任されるようになっていました。若い男性教員は重宝されますからね…。このままでは次の勤務校の移動は生指困難校になる可能性が高いと思い、移動を希望と同時に育短希望でキャリアダウンを狙いました。
メリット
少し、パパにも自分の時間ができた気がします。新しくテニスを始めてみたり、趣味を持つことができました。また、パパが育児や家事の中心になるので、パパも家事・育児のプロになれたと思います。ママ・パパ共に力の差がなく家事・育児ができるようになったのは本当に大きいです。なんでも安心して任せられますし、悩みをお互い分かり合えます。我が家のパパは「働かなくて楽そうだね」なんて絶対言わないです。だって家事・育児のしんどさを身をもって体験していますからね! 子どもたちにもよかったです。息子は保育園から幼稚園に転園できました。育短を取ると、幼稚園にも通えるんです。幼稚園でちゃんとプログラムのある学習時間があるため、息子はとても落ち着きました。娘も宿題を見てあげる時間ができるようになりました。友達と放課後お家で遊ぶ機会も持てるようになり、友達関係も広がりました。
デメリット
仕事の時間が減るからと言って、仕事がないわけではありませんので、家事・育児・仕事がのしかかり大変そうでした。子どもの参観や行事に参加するたび周りがママたちばかりなので身の狭さを感じたようです。男性で育短を取っている人が周りにいなかったため、情報がなく不安もありました。
まとめ
我が家は育短をパパが取ってよかったと思っています。まだまだ男性の育児参加が進みませんが、我が家が発信することで少しでも周りの男性が育児休暇や育児短時間勤務を取りやすくなってくれればと思います。 ちょっと手伝うだけの自己満「イクメン」ではなく、ママと同じ力量で家事・育児できる「イクメン」になってください。